サンデー超2月号 『CRIMSONS』

表紙がスゴい

サンデー超2月号。今号は見どころが多くて、満腹感がスゴかった。何回かに分けて感想を書いていこうと思いマス。
ところで、サンデー超はうちの近所の書店は3冊入荷してくれるお店なんだけど(3日遅れなのはガマン)、先月末に買いに行ったら1月号が2冊残ってた……。2月号は全部売れますように(-人-)ナムー

CRIMSONS 紅き航海者たち (菅野孝典) <連載>

ホンモノの鮭が主人公という、アバンギャルドな新連載。学年誌やコロコロならありえるかな?って思えるけど、そのチャレンジ精神がスゴいよ。表紙&巻頭カラーだし。なんかいろいろと感動したデス。
作者の菅野孝典先生は大学で動物生態学?を専攻されていたそうで、さらには監修に鮭専門家の奥山文哉さんという方がついている。結構本格的。監修の奥山文哉さんのブログでもこのマンガのことが紹介されていマス


マンガの感想だけど、いや〜面白い! 設定が新鮮てこともあるけど、かなり楽しめたデス。何しろキャラクターがほとんどベニザケなので、キャラクターの描き分けや、マンガ的には重要な感情移入できるキャラクターの創作(「かっこいい主人公」「かわいいヒロイン」)が難しいんだけど、なかなかキャラが立ってると思いました。時々でてくるリアル魚絵とのコントラストも面白いしね。ミジンコが食べられることで始まる導入部なんかもユーモアがありますな。
クライマックスの「カエラズの顎門」に挑戦するところは、燃えるシーンのはずが結構笑えたり。「魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚魚(うおおおおおおおおおおお)」という擬音表現とか、「エ、エラに木屑が…!!」という台詞は、ボク的にはかなりシリアス笑いシーンw
あと、2ページしか出てこないけど、クリスちゃんがすごくイイ! 少年誌なのに不倫の匂いをプンプン出しやがるw
一体どんな物語になるのかわからないところも含めて、スゴイ楽しみ。鮭って産卵すると死んじゃうんだよねw


ついでではありますけど、Twitterを見てたら、鮭の背中が紅いことに違和感を持った人たちが案外多かったので、ちょっと調べてみた。
まず、主人公たちはベニザケで、表紙の絵は成熟した状態。海を回遊し、産卵期に自分の生まれたところで産卵するために遡上するときの状態デスね。ベニザケは成長するにつれ、だんだんと体表面が赤くなっていきマス。最後には本当に真っ赤っ赤になる(Wikipediaの画像
だから4ページ目のカラーでは背中は紅くないんデスね。海水に適応した段階である『スモルト状態』にあると思われマス。
もうちょっと付け加えると、

  • ベニザケは寒いところにしか生息せず、物語の舞台の「ウルモベツ湖」はベニザケが生息する南限にあたる。
  • 択捉島ウルモベツ湖以外の日本にはベニザケは存在しない。
  • ヒメマスはベニザケと非常に近い種であるが(産卵期には背中も赤くなる)、ヒメマスは海に出ない。

そしておそらくは

  • ウルモベツ湖にはベニザケしかおらず、ヒメマスはいない

と思うんですヨ。教授が「ヒメマスか…ベニザケの稚魚かな?」と言ってますが、そこはどうなんだろ。物語の必要上、『タケシ』のようなヒメマスがいないのはおかしいので、ということかな?
基本的に菅野先生は、このマンガでは鮭の生態をかなり正確に描かれるおつもりだと思われマス。そういうのは非常にボク好み。いわゆる理系人間と言いマスか、子どもの頃は学研の「ひみつシリーズ」 で育ったモノで。もちろんこれは「ひみつシリーズ」とは違う、エンタメ作品なのだから多少のウソはありというか、そうでないと話ができナイけど。
ちょっと付け足しだけど、菅野先生のブログで、連載に至るまでの経緯などがつづられています。興味深いお話でした。菅野先生は「漫画製作の全工程をパソコンで仕上げる」そうなので(by 梧桐柾木先生)、アシ移動にはそんなことも背景にあるんだなーと。



むー、鮭の生態を調べてたら時間かかっちゃったのでw、他の作品の感想はまたあとで。クラサンでの公開の方が早くなっちゃうかなぁ。