「かってに改蔵」アニメ化と畑先生

もう各所で話題になっている久米田康治先生の「かってに改蔵」のアニメ化。本当におめでとうございます! もういろんな場所でニュースになっているし、これからもドンドン情報が出てくると思うので、それは他の方たちにお任せ。
ただ、ボクはこの件についての畑先生のツィートを見て、ちょっと思い出し泣き。というのは…。


まずはこれから。

畑先生が「かってに改蔵」のアシスタントになった経緯は有名だと思うけど、例えばサンデーのまんが家BACKSTAGE -畑 健二郎- Vol.21

久米田師匠に初めて会ったその日に
「一週間以内に引っ越してくれ」と言われ
大学を辞め、大阪から東京まで、
本当に一週間で引っ越したあの嵐のような日のことを……

改蔵」の連載開始直前に大阪の大学を辞めて上京し、夢と希望を胸に抱いてアシ生活に入った畑先生ですが、いきなりその厳しさに直面し、応募するマンガ賞ではことごとく選外で、段々と自分の才能に諦念を抱くようになったようです:

前略
なぜなら、僕は漫画家としての自分の能力のなさを知っていたから。


漫画家を志して五年。
何度か応募した様々な漫画賞で僕は一度も賞をとったことがありません。
五年間アシスタントをやっていましたが絵も大して上手くなりませんでした。

(畑健二郎初期作品集 ―ハヤテのごとく!の前―より)

でも、決してマンガに対する情熱を失いはしなかったようで、

前略
でも、僕は誰よりも漫画が好きでした。


好きで好きで好きすぎて、大学を中退してまで上京し、いつかプロになるために五年間アシスタントを務め、人生を棒に振る覚悟で漫画家を目指し、20代の大半をそれに費やしてきました。

(畑健二郎初期作品集 ―ハヤテのごとく!の前―より)

とも述べられていて。
畑先生にとって「かってに改蔵」というものは、『夢と希望に満ちた青年が、その夢に破れて挫折』しかけた、つらくて苦しいアシスタント時代に心血を注いだ作品で、だからこそ余計に自分にとって生涯忘れられぬ、他人に土足で入ってきてもらいたくない聖域でもあるということなんだろうと。単なる「自分がアシスタントをした」作品以上のモノというわけで。

the pillowsの曲『Blues drive monster』の歌詞の一節には:


Blues drive monster
憂鬱な世界を踏み潰してくれないか
ずっと待ってる

とあります。
なんとも畑先生らしくないとも思えるけどw、でも。


かってに改蔵」のアニメ、ぜひともイイ作品になってほしいと思います。
あと、前述の「畑健二郎初期作品集 ―ハヤテのごとく!の前―は、本当にオススメ。ほんとにほんとに。